ロッカー
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湿気で膨張した木製扉を開ける知恵袋
梅雨の時期や湿度の高い季節になると、これまで問題なく使えていた木製のキャビネットが突然開かなくなることがあります。これは、木材が空気中の水分を吸収して膨張し、扉や引き出しが枠にぴったりとくっついてしまうことが原因です。無理に力を入れて引っ張ると、取っ手が壊れたり、木材が割れたりする恐れがあるため、慎重な対処が求められます。まず試したいのは、原因である湿気を取り除くことです。最も手軽な方法は、ドライヤーを使って開かなくなった部分を温めることです。扉と枠の隙間にドライヤーの温風をまんべんなく当てることで、木材に含まれた水分を蒸発させ、収縮を促します。この際、一点に集中して熱しすぎると塗装が傷んだり、木材が変形したりする可能性があるため、ドライヤーを常に動かしながら、少し離れた位置から温めるのがポイントです。数分間温めた後、少し時間を置いてからゆっくりと扉を引いてみましょう。一度で開かなくても、この作業を何度か繰り返すことで、徐々に隙間が生まれてくるはずです。部屋全体の湿度を下げることも有効な手段です。エアコンの除湿機能を使ったり、除湿機を稼働させたりして、しばらく時間を置くことで、キャビネットの木材も自然と乾燥し、開けやすくなります。もし無事に開けることができたら、再発防止の対策を施しましょう。扉や引き出しが擦れていた部分を、目の細かい紙やすりで軽く削っておくと、次に湿度が高くなっても引っかかりにくくなります。また、キャビネットの近くに除湿剤を置く、定期的に換気を行うなど、日頃から湿気対策を心掛けることが、大切な家具を長く快適に使うための鍵となります。