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愛車の鍵が突然回らなくなる五つの原因
エンジンをかけようとしたのに車のキーが回らない時、多くの人は「故障したのでは」と不安になりますが、その原因は様々です。慌てて業者を呼ぶ前に、考えられる原因を一つずつ確認してみましょう。第一に、最も多いのが「ハンドルロック」です。これは盗難防止機能で、キーが抜かれた状態でハンドルを動かすと作動します。ハンドルを左右に動かしながらキーを回すことで解除できます。第二の原因は、オートマチック車における「シフトレバーの位置」です。安全のため、シフトレバーがパーキング(P)かニュートラル(N)に入っていないとエンジンはかかりません。完全にPの位置に入っているか、再度確認してみましょう。第三に考えられるのが「キー自体の問題」です。長年使用していると、鍵の溝が摩耗してしまい、シリンダー内部のピンと正しく噛み合わなくなることがあります。また、ポケットの中で曲がったり、傷ついたりすることも原因となります。スペアキーがあれば、そちらで試してみることで原因を特定できます。第四に、意外と見落としがちなのが「バッテリー上がり」です。最近の車は電子制御化が進んでおり、バッテリーの電力が不足すると、イモビライザーなどの盗難防止システムが正常に作動しなくなり、結果的にキーが回らないという症状が出ることがあります。ヘッドライトや室内灯が暗い場合はバッテリー上がりを疑いましょう。そして第五の原因が、「キーシリンダーの故障」です。内部にゴミが詰まったり、部品が摩耗・破損したりすると、正しいキーを使っても回らなくなります。特に、鍵穴専用ではない潤滑油などを注入したことがある場合は、内部で油と埃が固着している可能性もあります。これらの原因を一つずつ冷静にチェックしていくことが、的確な対処への第一歩となるのです。
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プッシュスタート車のエンジンがかからない謎
最近の車では主流となった、キーを差し込まずにボタンを押すだけでエンジンがかかるプッシュスタート式のスマートキーシステム。キーを回すという行為自体がありませんが、これまでの「キーが回らない」トラブルに相当する、「スタートボタンを押してもエンジンがかからない」という問題は発生します。その原因として最も多いのが、スマートキーの電池切れです。スマートキーは、常に微弱な電波を発信して車と通信していますが、内蔵されたボタン電池が消耗すると、車がキーの存在を認識できなくなり、エンジンをかけることができません。この場合、多くの車種では応急処置として、スマートキー本体を直接スタートボタンに接触させながらボタンを押すことで、エンジンを始動できる仕組みになっています。もしこの方法でエンジンがかかったら、早急にスマートキーの電池を交換しましょう。次に考えられるのが、車本体のバッテリー上がりです。これは従来のキー式の車と同じで、エンジンを始動させるための電力がなければ、当然スタートボタンを押しても反応しません。ブレーキペダルの踏み込みが甘いという、単純な操作ミスも原因の一つです。安全のため、多くのプッシュスタート車は、ブレーキをしっかりと踏み込んでいないとエンジンがかからない設計になっています。また、スマートフォンの充電器や他の電子機器が、スマートキーの電波に干渉している可能性も考えられます。一度、車内の電子機器の電源を切ってから試してみる価値はあります。これらの基本的な確認をしてもエンジンがかからない場合は、ステアリングロックの電子的な故障や、シフトポジションセンサーの不具合なども考えられるため、専門家による診断が必要となります。