それは家族でショッピングモールへ出かけた帰り道の出来事でした。荷物をトランクに積み込み、いざ出発しようと運転席に座ってスタートボタンを押したのですが、エンジンが始動する気配が全くありません。メーターパネルをよく見ると、普段は消えているはずの黄色い鍵のようなマークが点灯していました。何度ボタンを押しても「カチッ」という小さな音がするだけで、愛車は沈黙したままです。私は日産のノートに乗って数年になりますが、これまで一度もトラブルがなかったため、何が起きたのか分からず、ただただ冷や汗が流れました。後部座席では子供たちが早く帰りたいと騒ぎ出し、妻も心配そうな顔でこちらを見ています。私は慌てて取扱説明書を引っ張り出し、鍵マークの意味を調べました。そこには盗難防止装置の作動やキーの不具合の可能性が記されており、私は初めて「イモビライザー」という言葉の重みを知ることになりました。 最初に疑ったのは鍵の電池切れでした。そういえば最近、ドアの開閉の反応が少し悪かったような気がします。しかし、予備の電池なんて持っているはずもなく、途方に暮れてしまいました。その時、ふとスマートフォンの掲示板で見た情報を思い出しました。インテリジェントキーの電池が切れていても、ボタンにキーを直接近づければエンジンがかかるという裏技です。半信半疑で、キーの背面をスタートボタンに押し当てるようにして指で押してみたところ、一瞬の静寂の後に「ブォン」という力強いエンジン音が響き渡りました。あの時の安堵感は今でも忘れられません。家族も私も一斉に胸を撫で下ろし、無事に家路につくことができました。翌日すぐにディーラーへ行き、電池を交換してもらうとともに点検を受けましたが、原因はやはり電池の電圧低下による通信不良だったようです。もしあの時、あの始動方法を知らなければ、レッカー車を呼ぶ大騒ぎになっていたでしょう。最新の車は便利ですが、電子制御に頼っている分、ちょっとした不具合で動かなくなってしまう脆さもあるのだと痛感した経験でした。それ以来、私は一年に一度、必ず定期的にキーの電池を交換するようにしています。稀なケースとしては、スマートフォンの電波や強力な電磁波を発生させる施設が近くにある場合に、通信が混信して一時的に認識不能に陥ることも考えられます。イモビライザーは非常に精密な電子制御によって成り立っているため、物理的な故障だけでなく、目に見えない電波の影響も受けやすいのです。このように鍵マークが出る理由は多岐にわたりますが、基本的にはセキュリティ機能が正しく「自分を守るため」に働いている結果であり、まずは冷静に周囲の環境や電池、バッテリーの状態を確認することが、解決への第一歩となります。
突然現れた日産の鍵マークに慌てた私の実体験