防犯グッズ売り場に行くと、数百円で買える手頃なものから一万円を超える高級品まで、見た目は同じようなU字型のロックが様々な価格帯で並んでいますが、もしあなたが「とりあえず形だけでもU字ロックをつけておけば安心だろう」と考えて安価な製品を選ぼうとしているなら、それは防犯対策としてはほとんど意味を成さないばかりか、盗んでくださいと言っているようなものであるという厳しい現実を直視する必要があります。安物のU字ロックが「意味ない」と断言されてしまう最大の理由は、その素材と製造工程にあり、多くの安価な製品は単なる鉄や強度の低い合金で作られているため、表面は硬そうに見えても中身は柔らかく、ホームセンターで誰でも入手できる中型のボルトクリッパーや金ノコを使えば、まるで飴細工のようにあっさりと切断されてしまうからです。一方、防犯性能が高いと評価されているABUSやKRYPTONITEといった一流メーカーのU字ロックは、特殊な焼き入れ処理が施された硬化鋼を使用しており、表面だけでなく芯まで硬く粘り強いため、ボルトクリッパーの刃が欠けてしまうほどの強度を持っており、電動工具を使わなければ破壊は困難です。また、安物のU字ロックはシリンダー(鍵穴)部分の作りも粗雑であることが多く、ピッキングという開錠技術を使わなくても、ボールペンの軸を突っ込んで回すだけで開いてしまったり、ヘアピン一本で数秒で解錠できたりするような脆弱な構造のものさえ存在し、これでは鍵をかけている意味が全くありません。さらに、安価な製品はロック機構自体が弱く、ハンマーで叩いたり捻ったりする物理的な衝撃にも脆いため、力任せに破壊されるリスクも極めて高いのです。結局のところ、U字ロックにおける価格の差はそのまま防犯性能の差、ひいては犯人が破壊にかかる「時間」の差に直結しており、数千円をケチった結果として数十万円の愛車を失うことになれば、それはあまりにも割に合わない節約ですので、本気で守りたいのであれば、信頼できるメーカーの「切れない」と評判のモデルを選ぶことが、結果として最もコストパフォーマンスの高い投資となるのです。